松本ハウスの本「統合失調症がやってきた」感想

普段は芸能人本は買わない私ですが、これは買うしかないでしょうと思って読みました。

なんというか、他では読めないすごい本です。最後には涙が出て来ました。

内容はこのような章立てになっています。

序章 あの時のこと~松本キックから見て
一章 統合失調症の恐怖
二章 松本ハウスという居場所
三章 入院生活
四章 復活に向かって

既に有名なハウス加賀谷のエピソードとして、塾で真っ黒なノートを書いたり、自分がくさいと言われているような幻聴があったりするところなど、若い頃に既に発病していたことが語られます。

ハウス加賀谷が育った家庭環境も描かれているのですが、母親は教育ママで父親は仕事漬けで、クリニックの人から「加賀谷家は家庭として機能していない」と言われるほどです。

そして、そんな家庭から離れてグループホーム暮らしをしますが、そこで「漫才をやってみたいな」という思いだけで、アルバイトでお金をためて大阪に遠征し、戻って来て応募したオーディションで合格し、松本キックとコンビ「松本ハウス」を結成することに。

このあたりは非常にあっさりと書かれていて、デビューまでに血のにじむような努力があったわけではないような感じです。
きっと、ハウス加賀谷がもともと持っていた「他の人にはない異質なもの」がお笑い芸人としてはプラスに働いていたのではないかと思います。

デビュー後も順調で、4ヶ月ほど経つと何をやっても受けるように。
そして、そこで起きた、精神障害者に対するスティグマをつきつけられるシーン。
あまりネタがヤバすぎると視聴者からクレームの電話が来るので控えるようにと言われてしまいます。
悔しくて夜中まで泣き続けたハウス加賀谷。

仕事自体はその後も順調で人気が出て来て忙しくなることに。
そこで、病気を知る友達から「そんなにたくさん薬を飲まなくても大丈夫だよ」と励まされて、それを真に受けて薬を減らしたり、逆に調子が悪いと自己判断で増やすようになってしまいました。
これが再発の元でした。

幻覚が見えるようになり、スナイパーに狙われたり、飛行船に乗っている幻の松本キックが見えたり。
幻覚の内容は人それぞれで、その人が持っている想像力が反映されているので、面白いです。

薬については自身で
「個人で分量を変えることは、絶対にしてはいけない。
今のぼくは、声を大にして言いたい。
薬を飼いならせると思ったら大間違い。そんなことをすれば、道は深くて暗いものになっていく。」と振り返っています。

その後の閉鎖病棟での入院エピソードは、経験者としては「あるある」が多くて面白かったですね。
外とは隔絶された、ヘンテコな世界なんですよ。
このあたりは、一般人には目新しいことなので、読んでいて面白いと思います。

加賀谷は退院後もしばらくは引きこもっていましたが、新薬のエビリファイと出会って症状が劇的に改善することに。
私はエビリファイは合わなくて散々な目にあいましたが、効く人には効くんですね。
今は未だ効く薬に出会っていない人でも、次に出てくる新薬が効くかもしれないので、医学の進歩には期待したいところです。

そして、松本キックと再開し、再びお笑い芸人に戻りたいと強く思うように。
その思いは最後には実現して、今こうして再び松本ハウスをテレビ等で見ることができるようになりました。

この本を読むと、松本ハウスはハウス加賀谷の相方が松本キックだから復活できたのだと分かります。
「昔のハウス加賀谷なんて捨ててしまえ」
10年前の自分というハードルをもうけるな、今できることをやれという、相方の温かい眼差し。

これは病気で何かを失った全ての人に言えることだと思います。
失ったものは戻らないんだから、今の自分ができることをやればいい。

そして、それで夢の復活を遂げた人物がいる。
この本で勇気づけられる人は多いでしょう。
書いてくれて本当にありがとうと言いたいです。

そして、スカッと爽やかに終わるつもりが、「あとがき」にやられて涙涙。
これ、ズルいよ…。

以下Amazonリンク

統合失調症がやってきた
統合失調症がやってきた

人気ブログランキングへ

いいね!ボタン押して下さい(ブログ村にランキング投票されます)

クローバー 初めて当ブログに訪れた方や何度か当ブログにお越し頂いている皆様。もしブログの内容を気に入って頂けましたら読者登録RSSリーダーの登録よろしくお願いします。

関連記事

LINEで送る
Pocket

最近の投稿

松本ハウスの本「統合失調症がやってきた」感想」への3件のフィードバック

  1. SKishi

    エビリファイならば、私も服用しています。
    ずっと前にセレネースを処方されていたのが、現在エビリファイに変わっています。
    セレネースよりエビリファイの方が新しい薬なのですね。
    今の医師に変わってから、エビリファイの処方量が増えたのと、新しくデパスが処方に加わったという変化がありました。

  2. SKishi

    さっき、この本を読み終わりました。
    なかなかの内容だと思いました。
    私もパーキンソン病のための薬を服用していた時期がありました。
    今の処方には無くなったのですが。

    1. アスカ 投稿作成者

      >SKishiさん
      お読みになりましたか。
      実はこの本では書かれていない部分も結構あります。所属事務所の関係とかで書けないのだと思いますが。
      しかし、普通の芸能人本とは一線を画した、画期的内容だと思いました。
      たくさん売れることを願います。

コメントは停止中です。