「統合失調症 その新たなる真実」岡田尊司は必読本!

この本は内容が多岐にわたるのに濃いという絶対おすすめ本です。
ただし入門本ではないです。最初の一冊としてはもっとやさしい本がいいと思います。

タイトルに「その新たなる真実」とありますが、自分が今まで知らなかったことがいっぱい書いてありました!
いろいろと衝撃を受けました。

統合失調症 (PHP新書)
統合失調症 (PHP新書)
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岡田 尊司
PHP研究所

まず、統合失調症の歴史的なところで、なんと聖書にもそれらしき人物が登場するのだそう。

「旧約聖書」サムエル記には、悪霊の声に悩まされ、心を乱すイスラエルの王サウルの話が登場する。エゼキエル書のエゼキエルには、幻視や幻聴があった。

あと、有名どころな芥川龍之介について。この「歯車」は青空文庫で無料で読むことが出来ます。

芥川は、三十二歳の頃から不眠症や神経衰弱の症状が現れはじめ、それは統合失調症の症状へと発展していった。三十五歳で自殺を遂げた後、遺稿として発表された「歯車」には、迫りくる病気の影に脅かされる状況が生々しく描かれていた。

それから、中原中也や、ムンク、ジャズトランペッターのトム・ハレルのことなど有名人的な話など。

妄想の仕組みも妄想にとりつかれたことのない健常者にも理解が進むようなたとえ話がありました。
妄想形成の論理破たん
大前提:親ならば、子どもが困っているときには優しくする。
小前提:うちの親は、子どもが困っているときに冷たかった。
結論:うちの親は、本当の親ではない。 ← これが妄想

自分の考えや言葉で表された表象が、事実とは違うということが理解できなくなる。シニフィアンとシニフィエを混同してしまうのである。

はいはい。そうですよ!私はまさにこんな状態になったことがあります。
あと、病状経験者として注目したのが以下の部分です。

近年、統合失調症の機能低下は、前頭前野の過剰な活動亢進によってもたらされていると考えるようになっている。つまり、頭が働きすぎることが、機能低下を引き起こしてしまうのだ。

本当に、そう。頭が高速回転しすぎちゃって、空振りスピンしている状態がまさに発症時のことです。

そして、この本の中で私が最も衝撃を受けたのが、呪術師の話です。

アフリカや中南米、アジアなどの開発途上地域では、近代的な精神医療ではなく、シャーマンや呪術師による土着の治療法が、今も生き残っている。これまで各地で行われた調査によると、こうした土着の治療法は、先進国の近代的な精神医療よりも、ずっと良好な治療成績と予後が認められている。多くの場合、一週間程度のごく短期間に回復し、回復率が九十パーセントにも上ると報告されている地域もあった。

回復率が90%ですよ?!民間療法で。

この状態に対して、土着のシャーマンは、次のような見立てと対応を行ったのである。「彼女はロカ(loca 気ふれ)であり、彼女の身内の者たちが正しくない行動をしたため超自然的な力が封印を解かれてしまい、彼女を苛むようになったと診断した。シャーマンは祈祷を行い、彼女の身内の者すべてが積極的に関与することを求めた。彼女の状態は父親の家に帰ることが必要であったが、家に戻って一週間で回復した
リチャード・ワーナー「統合失調症からの回復」

患者のせいじゃなくて他の人のせいということにして、身内を積極的に巻き込んでしまうのです。
そうしたら、一週間で回復!医者や薬の意味が……。(もちろんこれは一例にすぎないと思いますが)

この例に限らず、さまざまな地域の土着的治療を調査した研究者が異口同音に認めていることの一つは、患者だけに問題があるとは決してみなさず、患者に起きている超自然的な現象は、家族や共同体の問題だと受け止める点である。これによって、患者は「狂人」だとか「精神病患者」といった烙印を押されることなく、むしろ犠牲者として受け止められる。集団全体が、その人の回復にかかわることによって、それまであったわだかまりや不信も解消され、むしろ本人をみんなが積極的に受け入れるようになる。つまり、こうした治療とは、本人だけを共同体から切り離す方向ではなく、むしろ「再統合」をはかる営みなのである。

なんだか、社会のありかたが病を治さなくしているような気もしてきます。
他の章では有病率が国や地域で格差があるという話が出て来ます。
そこでも、フッター派やアーミッシュといった、伝統的な昔の暮らしの様式をしているところでは、有病率が低いとのことです。
統合失調症は現代病の側面があるということが見えてくるような気がします。

ここには書ききれませんが、他にも知っておくと良い情報がたくさんてんこ盛りの本です。
といっても新書なので分厚くなく、すぐに読めてしまいます。
是非、手に取ってみて下さい。

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