『動物に「うつ」はあるのか』加藤忠史・著

主に動物実験についての本ですが、いろいろと興味深い内容です。

動物にうつ病があるかどうかは、はっきりしていないそうです。
なぜならば、人間のうつ病のことがよく分かっていないので。

また、動物は「ゆううつだ」「だるい」などの言葉を発しません。
そこで、強制水泳試験などの実験で得られた数値を元に計測するしかありません。
(強制水泳試験=深い水槽に入れて、どれだけもがく動作をするのかの時間を計測する実験方法)
他の病気のように、動物実験で薬が作れますという段階には至っていないのが現状だそうです。

なお、うつ病と統合失調症のモデルマウスは存在するとのことですが、
双極性障害の反復性を示すモデルマウスはまだ存在しないそうです。
双極性障害に効く薬は、他の病気に効くものがひょっとしたらこれにも効くかも?という方向で得られたものですので、今後モデル動物の開発が成功したら、更に効く薬が出てくるかもしれませんね。

mouse
photo by Mark Fowler

また、本書の後半では「臨床研究と基礎研究」について焦点が当てられ、
同じく医学の発展に寄与する研究にも、元の動機からして違う2つの研究があることが分かりました。

最終章だったと思いますが、本書で心に残った言葉があります。
精神疾患をなくせというのは、人間の多様性をなくせということにもなる。
ということです。(一字一句はちょっと違うはず。メモっていませんでした。)

精神疾患が薬や治療で完璧になくなる日など来ないでしょう。
副題の『「心の病」がなくなる日』は、そんな日は来ないという反語だと思います。

この本は表題よりずっと硬派な内容で、医療の研究現場の特に動物実験についてを知ることが出来ます。
「私が飲んでいる薬がこんな動物実験で開発されたのかもしれない」と知っておくことは損にはならないですよ。
(少々難しい内容もあるので、活字が苦手でない方向きです)

メンタルヘルスブログ 統合失調症
仲間を見つけよう!にほんブログ村
この記事が役に立ったらポチしてね
人気ブログランキングへ

クローバー 初めて当ブログに訪れた方や何度か当ブログにお越し頂いている皆様。もしブログの内容を気に入って頂けましたら読者登録RSSリーダーの登録よろしくお願いします。

関連記事

LINEで送る
Pocket

最近の投稿